遺言書を残す人が増えてます?
近年「終活」という言葉を耳にする機会が増えたかと思います。
エンディングノートや遺言書に関する書籍も昔に比べて随分増えたのではないでしょうか?
遺言書の本やサイトを見てみると「遺言書を残す人が増えています!」との文言をみかけます。それなのに、うちの祖父母は書こうとしません。
そこで、本当に増えているのかな?と思って調べてみました。
遺言書を残す人が増えてます・・・多分
下の表は、遺言書の検認数(真ん中の数字)と死亡者数(上の数字)との割合です。
検認とは、自筆で書いた遺言書などの加除訂正の状態、日付、署名など遺言書の形状を確認し、偽造・変造を防止するために家庭裁判所で行う手続きです。
(死亡者数は厚生労働省 人口動態統計の年間推計から、検認数は司法統計より)
確かに増加してるといえば増加してますが、死亡者数もふえているので割合的には微増。検認しなかった、作成したはずの遺言書が発見されなかった等も考えられますので、実際に作成された数はもう少し多いかもしれませんが、正直に言うと微妙な数字。
遺言書には、公正役場で作成する公正証書遺言というものもあり、作成された数を年ごとに調べてみました。平成28年は前年より減っているのが気になりますが、全体的に増加傾向にあります。ただ、こちらも私の期待値ほどではない印象。なお、上表はお亡くなりなった人が遺言書を書いていたかどうかという割合ですが、下表の割合は公正証書遺言作成してもその年に亡くなっているとは限らないため参考程度の数字とお考えください。
(公正証書作成数は日本公証人連合会より)
モメてる家族も増えてます?
遺言書作成数が微増ならば、遺産分割協議でモメている家族は増えているのでは?と思って調べました。真ん中の数字が遺産分割事件の件数(家事調停・審判)です。(司法統計より)
これまた、ほぼ横ばいの微妙な数字。
「なんだ、1%くらいか!」と思われるかもしれませんが、にっちもさっちもいかなくなって裁判まで行ってしまったのが1%なので、モメているケースは遥かに多いと考えられます。
うーん・・・
終活、終活とよく耳にするようにはなりましたが、数字的にはあまり影響がないようですね。
あとがき
祖父母に「みんながやってるよ?」「やらないとモメるよ?」というデータを出して説得してみようと期待しながら調べましたが撃沈。終活ブームとは何なんだろう?と思わせる数字でした。エンディングノートで止まってしまっているのでしょうかね。
今後、どういうアプローチをすれば祖父母が作成してくれるのか・・・
もうちょっと違う視点から考えてみようと思います。
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