これまでの通信は、人と人を結んできました。つまり、人が情報を入力しないと相手の人は情報を見ることができませんでした。これからは、モノ自身が情報を自動で入力し、別のモノや人に伝えていきます。そして、この情報伝達の変化が生活環境の改善につながると考えられています。
IoTとは?そして現状は?
「IoT」とは「Internet of Things」の頭文字を取った用語で「アイ・オー・ティー」とよばれです。直訳すると「モノのインターネット」と呼ばれ、冷蔵庫とか蛇口とか従来通信機能がついていない産業機械、車、家電製品などに通信機能をつけてインターネットにつながるようにします。
現状、IoTを使ってこのようなことが可能になっています(ごく一部をピックアップ)。
・ 自宅の色々な家電のリモコン操作がスマホでできる
・ 不自然な動きを感知し浮気を通知するベット
・ 駅などのトイレの空き状況を知らせる
・ 歯ブラシにつけるだけで最適な磨き方をアドバイスしてくれる
・ 降水確率の高いと青色のライトで知らせる傘立て
例えば、蛇口をIoT化してみる
IoTって必要ですか?
IoTには「見える化」「制御」「最適化・効率改善の自動化」の3つ段階があると言われています。現状では「見える化」「制御」はクリアできているけど「最適化・効率改善の自動化」までは達していないモノが多いかと思います。
どういうことなのか、蛇口をIoT化して説明いたします。蛇口から水がどれだけ出ているか、温度はどれくらいなのかを把握するのが「見える化」、水の出る量や温度をスマホなどから変えられるのが「制御」、洗い物のときに自動で適量適温の水を出してくれるのが「最適化・効率改善の自動化」になります。
初めて一人暮らしするような人は、どのくらいの水で洗えばきちんと洗えて経済的にもいいのかなんてわかりません。そんなときに自動で出てくれるとありがたいものです。また、飲食店の皿洗いで「水の出し過ぎだ!」と怒られることもなくなります。
「最適化・効率改善の自動化」までクリアしたIoTなら自分の経験値だけでなく他人の経験値、上級者の経験値を取り入れることができるので、経験不足によるクオリティの低い生活を避けられるわけです。
世界はIoTで何を作ろうとしてるの?
将来的に何ができるようになるのか?ということですが、世界経済フォーラム(WEF)が発表した「Deep Shift」(2015年9月)ではこのようものが挙げられています。
・ インターネットに接続した衣服や時計、装飾品を身につける
・ ロボット薬剤師が登場する
・ 眼鏡がインターネットに接続する
・ 3Dプリンターで作った車が登場する
・ 体に埋め込むタイプの携帯電話が商品化される
・ 車の無人走行車
私的☆IoTのここに注目している!
IoTという名前が浸透していない頃に「家電とインターネットの融合」をテーマとしたセミナーによく参加しておりました。基本的なコンセプト等は当時とあまり変化はありませんが、当時はビッグデータとかAIの発想がありませんでした。
その後、家電とインターネットの融合は下火になったことから、IoTが発展するポイントはビッグデータの利用、つまり最適化と経験値の補足という視点でみると更なる発展が望めるのではないかと考えています。
例えば、ステーキを上手に焼きたい!と思っても、火加減とかどのタイミングで裏返すとかよくわかりません。そこで、あらかじめステーキを焼く名人に焼いてもらってデータを取得、そのデータを元に火加減と裏返すタイミングを教えてくれるフライパンとかIH調理システムなんかがあれば、素人でも上手にステーキを焼くことができます。
このように、経験値を補うという視点でIoTを利用すると、製造業など世代交代が課題になる業界でも熟練の技をデータとして継承でき、仕事が円滑に進む環境が構築できるのではないでしょうか。このあたりがIoT発展のキーになると注目しています。
あとがき
IoTって、行政書士が何か関係あるの?と思われるかもしれませんが、IoTビジネスを始めようと思ったら構想段階で行政書士に相談することをおすすめします。なぜなら、IoTの行く所に法律の壁あり!だからです。そして、法律の壁のある所には許認可申請か届出があるものです。
構想段階で法律をチェックしておかないと、いざ開業のときにストップがかかったり、違法営業ということになりかねません。意外と罰則も厳しいので要チェックです。また、データの所有権などを巡り、契約の結び方も考える必要があります。
IoTで何か思いついたら、当事務所またはお近くの行政書士にご相談ください。
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