薬剤師の日常をポップに描いた『アンサングシンデレラ』が面白い!【漫画評】

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薬局 アンサングシンデレラ

「黒帽子のしんさーん、待ってー!!」

 

病院での検査結果もまずまずで、薬局で薬を受け取り、

あとは何か美味しいものでも食べて帰るだけ。

 

そんなウキウキ状態で歩いていると、

100mくらい後方から薬局の人が猛ダッシュ!!

お金は払ったし、何も悪いことはしていないけど逃げたほうがいいのか?

 

「薬の量が間違っていたので、

 薬局に戻ってもらってもいいですか?」

 

たまにドジなところ見せますが、

処方箋に書かれている量に疑問を抱くとすぐ先生に問合せたり

いつも笑顔で迎えてくれる頼りになる人。

 

その人こそ、薬剤師さん。

 

そんな薬剤師さんの世界を描いた漫画が

『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』

病気と薬という扱っているテーマは重いのに、

ポップな仕上がりで読みやすい。

 

薬剤師といえば、「薬屋のひとりごと」も面白いのですが

リアルな薬剤師の姿を描いているので別物として読んだほうがいいかも。

 

関連記事:人さらいに誘拐された主人公『薬屋のひとりごと』が最高レベルで面白い!【漫画評】

 

とにかく、スッとひきこまれてハマるので、オススメ。

 

現在(2019年12月13日時点)3巻しか発行されておらず

まだまだこれからが楽しみな作品です。

 

しかも、もう少し話数が進めば主人公の葵つながりということで、

葵わかな さん主演でドラマ化されるかもしれません。

 

これはもう、要チェックリストに加えておくべきかと!!

 

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薬は水以外で飲んではダメ!という人に勧めたい豆知識が散りばめられた『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』が面白いという話

今回ご紹介するのは『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』

 

「アンサング」という聞き慣れない単語が使われていますが、

意味は「たたえられない、報われない」という形容詞。

 

薬剤師って、医師や看護師のような華やかさがないですからね。

 

なお、本作品は月刊コミックゼノンという月刊青年漫画雑誌に連載中。

出版社は、発売元が「風の谷のナウシカ」の徳間書店で

発行元はノース・スターズ・ピクチャーズとなっております。

 

【オススメ1】 薬剤師の日常を緩急織り交ぜて演出

「アンサングシンデレラ」は、総合病院薬剤部に所属している

入社2年目の薬剤師・葵みどりの日常を描いた作品。

 

漫画特有の腕が伸びるなどの特殊能力で問題を解決していく

というものではなく、どの薬剤部でもありそうな日常を描いたもの

 

とはいえ、さすがに平凡な日常だけを描いているわけではなく

骨折、糖尿病、インフルエンザなどテーマに沿って描かれています。

 

医療漫画特有の緊張感のあるシーンが多いのですが、

合間に主人公の顔芸や吹き出しの外に書かれた台詞を入れ込んで

緩めるシーンが盛られているので読み疲れすることなくページをめくれます。

 

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【オススメ2】 作者の荒井ママレさん、ここから大ブレイクの予感

この物語の作者は、荒井ママレさん。

 

2009年に「死神のわけまえ」という作品デビュー

これが第63回新人コミック大賞の青年部門で入選。

 

大ヒット作こそありませんが、

忘れたい記憶を消したりできるメモリーセーブキャンディに絡む人の人生を描いた

『おもいでたま』なんかも幻想的な小説っぽくて素敵な作品。

 

そろそろブレイクしてもいい漫画家なのです。

 

 

新人コミック大賞の青年部門入選は、ヒットメーカーの登竜門!

そんな彼女が受賞した新人コミック大賞入選ですが、

どのくらい凄い賞なのかピンとこないかもしれません。

 

まして、入選って大したことないのでは?という疑問も。

そこで、ちょっと過去の受賞者を調べてみました。

 

ちなみに、新人コミック大賞は「特別大賞」「大賞」「入選」「佳作」という順。

そう「入選」というと凄いのか凄くないのか、なんとも微妙なポジション。

 

ところが調べてみると「大賞」以上の受賞者よりも

「入選」「佳作」の受賞者のほうが

のちのち凄い漫画家になっているようです。

 

入選組には、コナンの青山剛昌さん、YAWARA!などの浦沢直樹さん、

ラストイニングの中原裕コンビ、美味しんぼの花咲アキラさんなど

そうそうたるメンバー。

 

佳作組も、満田拓也さん、高橋留美子さんに弘兼憲史さんとこれまた凄い。

 

ですから、荒井ママレさんもヒットメーカーになる可能性十分。

今後も期待できる漫画家さんなのです。

【オススメ3】 薬に関する驚きの豆知識が満載!

医療原案を担当する富野浩充さんは、普段は病院薬剤師。

この漫画の舞台そのもので働かれているわけです。

 

原案、監修担当といえば、権威のあるすげー偉い人というイメージ。

 

ですが、富野さんはそういう方ではなさそうなのが

彼のブログから伺い知れます(この作品に登場する瀬野さんっぽい?)。

 

裏話的な記事もあるので漫画を読んだあとに

アクセスされてはいかがでしょうか。

 

現場で働かれている富野さんが原案・監修されていることで

リアルな病院や薬局事情も垣間見ることができます。

 

また、豆知識が散りばめられているので

「えっ、そうなの?」

という驚きの連続になります。

 

例えば、第二話「飲めない薬」では、

薬が苦手になった小さなお子さんがどうすれば飲めるようになるのか?

というテーマ。

 

このテーマに対して主人公・葵みどりのおすすめは

「 にチョコアイスを混ぜる 」

というもの。

アンサングシンデレラ 薬 『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』第1巻81ページより引用

薬は水以外で飲んではダメ!と育ってきた私には衝撃でした。

 

これは漫画特有のネタなのかな?
秘孔をつけば病気や怪我が治るやつみたいに・・・

 

そこで、全日本民医連さんのサイトをはじめ、

各病院のサイトを調べたところ、同様の記載がありました。

 

どうやら、マジ みたい。

 

このように「へぇ」と思うことが満載なのです。

 

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【オススメ4】 そのうちドラマ化されるに違いない!

現時点(2019年12月13日)では、

「アンサングシンデレラ」のドラマ化はされていません

されるという話も出ていないようです。

 

ですが「振り返れば奴がいる」「医龍」「Doctor-X 外科医・大門未知子」など

医療系ドラマはあまり外れないことから、

この「アンサングシンデレラ」もドラマ化・実写化されると思います。

 

なお、主演は上白石萌音さんがいいと思ったのですが

「ホクサイと飯さえあれば」で主演を演じているので別の人なんでしょうね。

 

薬局で病状を聞かれる理由がわかる!【感想という名のまとめ】

「アンサングシンデレラ」読めば、薬剤師のイメージが変わります。

 

正直、診察されたあとに処方箋を持って薬局にいくと

「今日は、どうされましたか?」

と聞かれて

 

”しんどいのにウザったい・・・”

”なぜ、この人に話さないといけないの?”

 

と思ったことはないですか?

私はずっと思っていました(苦笑

 

そして、ナメてました薬剤師。

処方箋通りに薬を袋に入れる人、というイメージしかなかったです。

 

なるほど、医者の処方に間違いがないかチェックしたり、

飲み方などを指導するプロなのかと。

 

いわば、医療機関最後の砦。

そんな、かなり重要な役割だったとは。

 

私のような薬剤師に関する知識が全くない人に

薬剤師というあまりピックアップされない仕事にスポットライトを照らした

ありがたい作品でした。

 

中高校生あたりにも読んで欲しいので、お子さんのいる方はぜひ。

 

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