『これって、プライバシーの侵害ではなかろうか?』
プライバシーの侵害か否か区別できますか?
きちんと区別できる人は、そう多くないはず。
というのも、SNSの記事や写真を見ていると
プライバシーの侵害になっているのでは?
と気になるものが、かなりある。
「やけんの見えるお店に行かない」
って、メールが ”黒帽子のしん” からきた。
野犬って何?キモい!ウケ狙いがダサい!
※ 多分フィクション。いや、本当にフィクションです。
見たことないですか?
メールの内容が、SNSに転載されいるのを。
これなんて、いかにもアウトっぽい。
けれど、実は侵害かどうかは裁判で争わないとわからない。
ここがプライバシー問題のやっかいなところ。
これには、理由がある。
法律がない?
個人情報保護法があるじゃない?
と思われるかもしれないけど、
個人情報保護法にもプライバシーの権利に関する明文はない。
つまり、明確に定められた基準がないので
区別できる人は、そうそういないというわけ。
とはいえ、プライバシーの侵害で訴えられ
敗訴すると慰謝料5~150万円くらいの払うことになる。
結構、痛い額なので注意しておきたい。
そこで、訴えられないようにするポイントを提案!
迷ったら大体アウトだと思うべし!ネット上のプライバシー問題を考える
ネットに何か投稿するとき、
著作権、肖像権など色々な法律に気をつけなければならない。
著作権はちょっとうるさい私の持論だけど、
これってアウトかな?と思うものは大体アウト
著作権も肖像権も思っているより厳しめなので
迷ったら投稿しないほうが賢明。
プライバシーも基本的には同じ。
ただ、著作権、肖像権と比べると少し違う側面もあるようだ。
ネットでプライバシーの侵害をしないための3つのこと
プライバシーの侵害で訴えられないポイントは、下記の3つ。
基本的は、他人の個人情報は載せない。
でも、どうしても!というなら相手の許可を得てから。
許可を得ようにも連絡先が・・・
という場合は、公開、未公開を確認し、未公開なら断念すべき。
これが基本。
ちょっと深掘りしてみる。
プライバシーの侵害とされる3要件を避ける
プライバシーの侵害は、下記3つの要件を満たすとアウト認定されるよう。
・ 私生活上の事柄又は私生活上の事柄らしく受け取られる事柄(私事性)
・ 一般人の感受性を基準とし、他人に知られたくないと考えられる事柄(秘匿性)
・ いまだ他人に知られていない事実(非公知性)
簡単にいえば、
”非公開” だった ”他人の私生活情報” を ”公開して相手が不快になった”
というパターンでアウトになる。
つまり、侵害にあたる3つポイントを
避けることで、加害者になることを防ごう!というわけ。
ちなみに、自分の投稿だけでなく
Twitter のリツートもこの条件に該当するので要注意。
元のツイ主が許可を得てるだろうと思わないほうがいい。
プライバシーを公開しても侵害にならないこともある
プライバシー問題がややこしいのは、
3要件を満たしていても侵害にならないこともあるところ。
多くの判例を読んでみると
違法かどうかは下記の2つをはかりにかけて
損得を検討する、いわゆる ”比較衡量(ひかくこうりょう)” で決まる。
要するに、そりゃ公表されてもしかたないね
という場合は、プライバシーの侵害にならない。
プライバシーの侵害にならないケースとは?
この場合、転送されたLINEは、先に示した3要件「私事性」「秘匿性」「非公知性」を満たすため、通常はプライバシーの侵害に該当する。
ただ、公表した目的と公表されない利益を比べると・・・
セクハラ、パワハラをやめさせる目的のほうが優先されるため、プライバシー侵害として扱われない事が多い。
もっとも、派遣元だけでなくSNSに投稿したとなると、今度は部長の公表されない利益のほうが上回り、プライバシーの侵害になる可能性が高くなる。
つまり、双方の言い分や、ケースごとに検証してみないとプライバシー侵害になるかどうかはわからない。
急激に伸びゆくプライバシー問題【雑感】
そんなややこしいプライバシーの侵害問題、
ここ数年でかなり増えた気がする。
勉強するフリして漫画を読んでいたら、
母親がノックもそこそこにガチャっと・・・
「あ、あんた!何しているの!」
「プ、プライバシーの侵害だ!」
というシチュエーションが、
私が子供の頃のプライバシー侵害での唯一のモデルケースだった。
また、インターネットの黎明期だった頃は
プライバシーの侵害に厳しかったように思う。
少しでも違反っぽいものに対して
「一生ROMってろ」なんて書かれていた。
(投稿せずに、読むだけにしておけという意味)
それが膨れ上がったネット参入者に
プライバシー侵害の認識が追いついていない印象。
なので、法整備が進んでわかりやすくなるといいのだけど。
あとがき
今回の記事は、松尾 剛行 著『最新判例にみるインターネット上のプライバシー・個人情報保護の理論と実務』を参考にしたので、詳しく知りたい!という方は、こちらの本で確認されてはいかがでしょうか?
タイトル、長いっす。
それでは(`・ω・´)ゞ
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