『吾輩も猫である』は、この猫は何を考えてるの?が楽しくなる【書評・感想】

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猫 吾輩も猫である

 

吾輩は猫である

名前はまだにゃあ~

 

学生の頃、友人が言ったこのフレーズ

 

吾輩の名前が「にゃあ~」なのか

名前がないの「ない」が訛って「にゃあ」かどっちなんだ?

と今でもモヤモヤしている。

 

なお、言った本人はこう回答している。

 

「知らん!あー、適当や」

 

彼は、一体何を考えていたのだろう?

何を考えているのか読めないのは猫も同じ。

 

甘えたいのかな?と思って近づいたら

めっちゃ怒ったりと何を考えているのかさっぱり。

 

もっとも、そんな猫の気持ちを想像するのも

ちょっと楽しかったりするわけで・・・

 

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十人十色、十猫十色『吾輩も猫である』を読んでみた【書評】

 

そこで、猫の気持ちがわかるようになりそうな『吾輩も猫である』を読んでみた。

 

もともと、この『吾輩も猫である』は夏目漱石没後100年記念企画として

「小説新潮」が2016年8月号から2か月にわたり掲載していたもので

8人の豪華な顔ぶれの短編集だ。

猫が必ず出てくる、だって「吾輩も猫だから」

記念企画として「吾輩は猫である」にちなみ

単に売れっ子ということだけではなく

猫好き作家を集めたとのこと。

 

ただ、夏目漱石の息子さんのお話によると

肝心の夏目漱石は猫嫌いで犬派だったとか。

 

そんな、漱石をリスペクトしているのかディスっているのか

よくわからない本作品『吾輩も猫である』

 

漱石が猫嫌いであっても「吾輩も猫である」というだけあって

どの作品も主人公は、やはり猫、猫、猫。

 

しかも「吾輩も」というだけあって

猫目線の猫心情が描かれている作品が多い。

 

ひとつひとつの作品も面白いのだけど

その猫目線で描かれた人間どもや世界観が作者ごとによって違うのが

この作品の面白さのよう。

 

色んな猫が、色んな事を考えているので

猫を見ると「お前は何を考えているのかなぁ」と

想像することが楽しくなりそう。

 

これを読むと漱石だって少しは猫嫌いが和らぐはずだ。

 

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感想もそれぞれ、作家の数以上に猫が登場する

作家陣も十人十色なら、猫たちも十猫十色なところが楽しいこの作品。

 

もっとも、十人十色と書いたけど、8人の作家陣なので正確には八人八色。

その8人の作家の作品が、いわゆる「あいうえお順」で掲載されている。

 

赤川次郎/新井素子/石田衣良/荻原浩/恩田陸/原田マハ/村山由佳/山内マリコ(敬称略)

 

なお、荻原浩さんは短編小説ではなく4コマ漫画。

こういう型にはまらない遊び心が、猫っぽい。

 

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みんな『吾輩は猫である』をイジって遊びたい

この企画や友人だけではない。

 

「吾輩も猫である」というフレーズは

少しイジって使いたくなる愛らしさがあるようだ。

 

芥川龍之介氏も「我輩も犬である(仮)」という作品を残している。

我輩も犬である 名前は勿論ない 何処で生れたか忘れて仕舞つた

「芥川龍之介大事典」より

 

他にも「吾輩は猫である」は、イジられている。

 

「吾輩は鬼である」 → ゲームのキャラ

「吾輩は主婦である」 → テレビドラマのタイトル

「吾輩はデーモン・・・」 → 「お前も吾輩にしてやろうか!」の相撲好き悪魔

 

まぁ、犬、鬼、主婦、悪魔・・・色々いるものではある。

みんな、「吾輩は猫である」をイジりたいらしい。

2月は吾輩は猫であると縁がある月

ところで、先月2月21日は、漱石の日だった。

文部省が作家・夏目漱石に文学博士の称号を送ると伝えたのに対して、1911年のこの日に漱石が「自分に肩書きは必要ない」として博士号を辞退する旨を書いた手紙を時の文部省専門学部局長に送ったことに由来する。

Wikipediaより

 

漱石、かっこいい!

さらに、翌日の2月22日は猫の日

2月22日の「222」が猫の鳴き声「ニャン・ニャン・ニャン」と読めることから。「猫の日制定委員会」が1987年に制定し、ペットフード工業会が主催。

Wikipediaより

 

そういう流れもあり、

今回「吾輩も猫である」を読んでみたわけ。

 

・・・単純。

 

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野良猫の集まりを見かけたら、それは儀式かも

道端で、野良猫と目が合う

野良猫、固まる

私も、固まる

 

しばらくすると、にゃあ、にゃあと言うので

甘えたいのかなと近寄るとパァーと走って逃げる

 

猫とは不思議な生き物だなと感じるように

来るなー!と言ってるのに何で来るんだ人間め!

と猫は思っているのかも

 

そして、猫が集団でにゃあ、にゃあ鳴いていたら

それは何かの儀式かもしれない

 

何の儀式なのかは本を読んでいただければと

ちょっとせつなくなるけど

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