かいわれ大根に夢と希望を賭けた男とその夢を打ち砕いた女の物語【エッセイ】

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かいわれ大根の日 かいわれ大根

 

この日のツイートは、「かいわれ大根の日」をピックアップ。

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かいわれ大根には、少しせつなくて、ほろ苦い思い出があります。胸の内に閉まっておいても良かったのですが折角なので公開したいと思います。

 

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みんなのお昼の足しにしたい! その男は、かいわれ大根に夢と希望を賭けた!

 

ようやく仕事を覚え始めた新入社員だった頃、私の席の斜め前にいた隣のグループの係長は、とにかく不思議な人でした。

  •  月に2回くらいは、自宅に電話しないと会社に来ない
  •  勤務時間の1/3くらいは会社近くの喫茶店にいる
  •  就業後はパチンコ屋か飲み屋にいる
  •  休日になると出勤して、半日くらいまじめに仕事する
  •  宿直室に住もうとし、試しで寝てみたところ「夜中にカップルのお化けがでた!」という謎の理由で断念した
  •  仕事しないのに、部下から慕われて、部長クラスの評価が高い

 

そんな係長が、どこから手に入れたのか、”かいわれ大根の種”を持って会社にやってきました。

 

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係長、かいわれ大根を育てる決意をする!

かいわれ大根の種をゲットしてきた係長は、勤務中ソワソワして落ち着きません。そして、色んな人にかいわれ大根の育て方を聞いてまわっていました。

 

・・・そう、仕事もせずに。

 

しかも、色んな人に聞いているうちに、居ても立ってもいられなくなったのか

 

「ヨシ、やってみよう!」

 

と、おもむろに自席から立ち上がる係長。

 

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かいわれ大根を銀盤の灰皿で育てようとした男

銀盤の灰皿 かいわれ大根

 

自席に戻った係長の机には、3つのモノが置かれていました。

◯ 銀盤の灰皿(会社の備品)
◯ ティッシュ(会社の備品)
◯ かいわれ大根の種

 

まず、灰皿にティッシュを敷き、そこに、かいわれ大根の種を撒き、その上に、濡れたティッシュを置いて完成。

 

やや水が足りないと思ったのか、少し水を足して、ほぼベチャベチャ状態。

 

そう、見栄え最悪 (ノД`)

 

得意気な本人に対して、周りはドン引き。ミッチーというから及川光博かと思ったら浅香光代だったくらいドン引き。

 

とはいえ、誰もが見たことがないその不思議な光景に興味を抱く社員も多く、何それ?と聞く人があとを絶ちませんでした。

 

みんな、どこかしら「うゎ・・・」って顔でしたけど。

 

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出ない芽と野望を打ち砕いた女

 

係長が、かいわれ大根を育て始めて1日が経ちました。

なんら変化は見られません。

 

その日は何もなく、2日目に突入。

 

2日目ともなると、さすがに誰も関心を示しません。

そんな、その日の夕方くらいに少し変化が訪れます。

 

・・・やや、異臭?

 

そして、3日目に突入。

その時がやってきます。

 

係長が珍しく早めの出勤。

机の上を確認すると、

 

ついに・・・

 

かいわれ大根たちが処分されていました!

 

どういうことなのか、処分した派遣社員の女性に聞いたところ、しまった!悪いことした・・・という感じはなく、むしろ、冷めた目で一言。

 

「だって、汚い!」

 

係長の夢は、ここで潰えたのです。かいわれ大根たちは、係長の机の上に帰ってきませんでした。

 

もっとも、係長は怒るような人ではなく、派遣社員の女性とも仲が良かったので事なきを得ました。

 

そして、なぜか「かいわれ」がなくなってホッとする周囲。

 

今にして思えば、部長も取締役も「これ何?」と聞いておきながら注意もせず許しておくって、どういう会社だったのでしょう(笑

 

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かいわれ大根は、ティッシュで育てられないのか?

 

記事を書いているうちに、ひとつの疑問に突き当たりました。あのとき、育つわけない!と決めつけて見ていましたが、

 

本当にティッシュでかいわれ大根を育てられないのか?と。

 

そこで、ググってみたところ・・・

ちゃんと育てたツワモノがいらっしゃいました。

 

簡単! かいわれ大根の育て方-Ⅱ
今回のネタは、だいぶ以前に書いた記事の、改良版。 → かいわれ大根の育て方(動画あり) 前回は、...

 

あの頃にこういう情報があれば、係長は頭の悪い子扱いされずにすんだのでしょうか。

 

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この話って、まとめようないでしょ?

いかがでしたでしょう?

せつなくて、ほろ苦いでしょ?(苦笑

 

今日は「かいわれ大根の日」

何だか係長のことを思い出しました。

 

この話の半年後、この係長は私の上司になりました。

 

上司になってよくわかりましたが、全く仕事しません(笑

 

ただ、部下がミスをして謝罪が必要になったときは、率先して謝りにいかれてました。

 

そして、部下を責めることはなく

「同じ失敗をしないために、どうすればいいかだけは考えておけ」

という人でした。

 

どうですか?

素敵でしょう?

 

もっとも本当に仕事しないので、

同じ失敗かどうかがわからない。

 

なので、怒ってる姿を見たことがなかったです。

 

出向で来られていたので、この話の1年半後くらいにお別れでしたが、こういう不思議な人には出会えていません。

 

ちょっとせつない。

 

以上です(`・ω・´)ゞ

文章終わりのライン

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