『また卒論でダメ出しくらったのかぁ。
このままだと就職しても文章で怒られそう?
そりゃ困ったことやね・・・』
あっ、いや、そんなに落ち込んでないで、
上手に文章を書かねば!という視点をちょっとずらしてみない?
就職して、先輩や上司になったら
文章をチェックする能力が必要になってくる。
なので、いい機会じゃないかな。
それで、チェック上手になるには、
どうすればいいのか。
まず、どこをどうチェックすればいいのか
文章のチェック項目を知るところから始めよう。
というのも、文章には読みやすくなるルール
というか格言っぽいものがある。例えばこれ。
『修飾語は、被修飾語の近くに置く』
修飾語を近くに置かないと
いろいろと誤解を生みやすい文章になってしまう。
具体的には、うーん・・・
”できるだけ、多くのお客さまの期待に応えるよう踊る”
と、部下の企画書に書いてあったとする。
どう?自分が上司だったら、この文章のままでいい?
パッと見、よさそうに見えるけど
これだと 修飾語の ”できるだけ” が、何にかかるのかわからない。
- できるだけ多くのお客さま
- 期待にできるだけ応える
- できるだけ踊る
少なくとも3パターンの解釈が成り立ってしまう。
これが下記のようだと、どうだろう。
”多くのお客さまの期待に応えるよう、できるだけ踊る”
修飾したい言葉の前に修飾語を置いていれば
3つの解釈パターンは1つに限定され、誤解を招きにくくなる。
このように、知っていると気がつくことも
文章のルールや格言を知らなければ見逃してしまう。
そこで、文章のルールや格言を覚えて、
推敲上手、チェック上手になろう!
さすれば、気付かぬうちに堅実な文章が書けるようになる!
というのが、私からの提案。
そして、今回の記事のメインテーマ。
推敲上手、チェック上手になる3つのポイント!
推敲、チェックをする際、
重要になりそうな文章のルールを3つ挙げてみた。
もちろん、他にもポイントはあるけれど
人は同時に3つくらいまでしか覚えられないので、まずは3つから。
では、気に入らんかもしれないが
詳しくみていこう。
その文章に、イラッとする重複はないか?
1つの文章に、単語や文節を極力重ねない
というのが文章のルール。
ラップみたいにワザと重複させるのではなく
意図なく文字や文節が重複している文章はイラッとする。
例えばこんな感じ。
”芸能界のグルメ王の芸人の不倫の代償は、重かった”
芸能界のグルメ王ってなんだよ、
GACKTより味がわかるのかよ!イラッとするなぁ!
・・・そういうイラッとではなく
”の” が4つ続くと、リズムが悪く読みにくい
なので、重複は続けても2つまでにするのが原則。
”芸能界のグルメ王芸人、不倫の代償は重かった”
3つ以上続いている場合、
2つ以下に減らすよう文章を変えるとすっきりする。
単語レベル、文節レベルでも気をつけたいが
特に気をつけたいのが、文末。
”グルメ王の芸人がいた。不倫していた。相方が謝っていた。”
小学生の絵日記っぽい幼稚な文章になる。
ただ、文末は知らず知らずやってしまいがち。
だから、きちんとチェックして修正しよう。
”グルメ王の芸人が不倫。相方が謝っていた。”
複雑な構造になっていないか
構造が複雑になって読みにくくなる原因に
複数の文章を1つに文章にしている、ということが挙げられる。
どういうことか解析する前に、少し寄り道。
知っているかもしれないけど、
文章は、単文、重文、複文の3つに分類できる。
関連記事:話題作「薬屋のひとりごと」の漫画版は、どっちのバージョンがいい?
単文は、主語+述語の組合せが1つだけ。
重文は、主語+述語の組合せが2つ以上あるけど、関係は対等。
難しいのは、複文。
主語(私は)+述語(待っています) が主節
主語(彼女が)+述語(読み終わる)が従属節
と呼ばれ、従属節は目的語の機能になっている。
複雑な構造になる文章は、
重文、複文を複数絡ませることが多い。
例えばこんな感じ。
”彼女が「薬屋のひとりごと」を読みながら「もうちょっとで終わるから待って」と言ったから、私はじっと待っています。”
これは、複文と重文の混合例。
何やらぎこちないでしょ。
これを2つにわけるとスムーズになる。
”彼女が「薬屋のひとりごと」を読みながら「もうちょっとで終わるから待って」と言った。だから、私はじっと待っています。”
複文(緑)と単文(黒)にわけてみた。
どう?元の文章よりさっぱりしたでしょ?
このように、複雑な構造になっている文章は
ほぐしたほうが読みやすくなる。
このとき、いきなり複文+単文にわけるより
述語ごとに全て単文にし、組み立てなおしたほうが早いかも。
その事実と数字は本当に正しいのか
どんなにきれいな文章を書いても
内容が間違っていたら、やはりその文章はポンコツ。
特に上記の3つは、間違うと致命的。
信用を失わなくても後々まで引きずるので、
絶対に間違えてはいけないもの。
コピーペーストが可能ならコピペすべきで、
ダメならしつこいくらい確認!
文字列だけでなく、その情報は最新なのか、
現在も表記は変わっていないか、
参考にしても大丈夫なサイトなのかなど、念入りにチェック。
文章のチェックに活用したい『新しい文章力の教室』
重複、構造、事実確認のチェックが
ある程度できるようになったら、次のステップに進んでほしい。
その時に参考になりそうなのがこちらの本。
今回の記事の元ネタだ。
唐木 元 著『新しい文章力の教室』
こちらの本、学校で文章の授業があったら
教科書になりそうなくらい基本的な文章術が詰まっている。
しかも、文章を上手に書く考え方ではなく
技術的なことに特化しているので
文章をチェックするにはうってつけ。
自信のないところ、できていないところを
リストアップしてチェックするのもよし
面倒なら付箋を貼って確認するといいと思う。
隗より始めよ、ではないけれど
この本を使って書いた文章をチェックする
ということを始めてはどうだろう。
まとめ+あとがき
今回のまとめはこちら。
私も全く文章が書けずに悩むことが多かった。
今でこそ少しはマシになったと思えるけど
昔に書いた文章を読み返してみると
「ちょっと何言っているのかわからない」
というものだらけ。
ネットに公開していたのが罪なレベル。
それでも書き続け、成長を感じ始めたのは、
文章術の本を読むようになってから。
やはり、見直しのチェック項目が増えてから
マシになってきたような気がする。
だから、推敲上手、チェック上手になることを勧めるわけ。
自分が先輩や上司になったとき
後輩や部下の書類をチェックするようになる。
そのとき、必ず必要になる能力でもあるので
今のうちに身につけておこう!
では(`・ω・´)ゞ
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