読書がもっと楽しくなる!三宅香帆 著『バズる文章教室』を読んでみた【書評】

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バズる文章教室

 

「文章の引き出しを増やしたい!」

 

SNSやブログを数年も続けていると

あだち充作品の主要キャラくらい似たような文章になりがち。

それでは、段々、書き手も読み手も飽きてしまう。

 

そうならないよう、文章の引き出しを増やしたい。

そのために読書量を増やすも漠然と読んでしまい

引き出しが増えた気がしない。

 

しかも、本を読むことがやや義務的になってくる。

そんな私におすすめなのがこちらの本。

 

三宅香帆 著『バズる文章教室』

 

文章構成や言葉選び、文体に注目して

ここ!ここ!この作品はここの文体が綺麗なんだよぉ!

と、テンション高めの著者が解説していく本。

 

それゆえか、文章の引き出しが増えるだけでなく

「こういう読み方しても読書は楽しいよ!」

という ”本の読み方参考書” としてもおすすめな1冊。

 

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タイトルに偽りあり?三宅香帆 著『バズる文章教室』 教室というより、プレゼンや発表会みたいな本

 

”文章教室” というタイトルでありながら、

教室らしさはない。講義っぽさもない。

 

ただ、文章の構成はしっかりしていて

プレゼンやら発表会みたいな感じ

 

① 前説
② お題の作品に添削みたいなチェック
③ バズポイントを解説
④ まとめ

 

①の前説がない回もあるけど、大半はこの構成。

 

ただ、②の部分はピンク色の目立つ外枠があり

目線がそこに向きがちになる。

バズる文章教室

 

そのため、①を飛ばして②から読んでしまいがちに。

そこが、この本の残念なところ。

 

前説は著者の想いが描かれていて

共感できるし、面白いエピソードが多いのに。

 

人の習性的に飛ばすのはやむを得ないとして

”まとめ” まで読んだら、

①から読みなおすことをおすすめしたい。

 

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本の紹介:漠然と本を読まず、気になった点を解析する!

どういうわけか洗面台がビシャビシャになるんです。 p.29より

 

この本のすごいところは解析力と観察力。

 

著者が気になった文章構成、言葉選びなど

を詳しく分析して、解説している。

 

その熱量たるや・・・(汗

 

星野源 著『そして生活はつづく』のお題では、

どういうわけか洗面台がビシャビシャになるんです。”

の「どういうわけか」という言葉選び、エピソードの締め方を解説。

 

この一文は「問いの共有」という共感の基本戦略であるそうで

2ページくらいにわたって解説している。

 

何気ない言葉に見えても

彼女にかかるとキラリンと光る言葉に見えるらしい。

 

へぇ、そういうところに注目して読めばいいのか!

 

ということがわかると共に、

あまりに楽しそうな解説につられて

もっと読書が楽しくなりそうな気になってくるから不思議。

 

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この本をおすすめしたい人

 

『バズる文章教室』とタイトルにある。

 

なので、バズらせたい人におすすめ!と思いきや

私がおすすめしたい人はちょっと違う。

◯ 読書したいけど何を読むか迷っている人
◯ ブログの文章構成に悩んでいる人
◯ 文章の引き出しを増やしたい人
◯ 表紙に惹かれた愚かな私

 

世に言う「バズる」と著者の考える「バズる」

両者の意味合いが異なっているため

世に言う「バズる」を目指す人にはコレジャナイ感が否めない。

 

逆に、タイトル的にターゲットになり得ない、

どんな本を読もうか悩める人たちには、

いろんなジャンルのいろんな作品が紹介されているのでいいかも。

 

また、著者の文章構成、引用している作品の文章構成が

ブロガーさんたちに役立ちそう。

 

特に、向後千春 著『伝わる文章を書く技術』に書かれていた3部構成

① コンセプト
② 事実、方針、要約など
③ ダメ押し(まとめ)

関連記事:向後千春著『伝わる文章を書く技術』で、文章下手が克服できるかも!

 

のパターンが、ふんだんにでてくるので

読んでいてワクワクするかと。

 

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著者の三宅さんってどんな人?

 

『バズる文章教室』の著者 三宅香帆さん。

 

予備知識無しで読んだので、

30半ば~40半ばをイメージしていたら20代とお若い。

文筆家、書評家。
1994年生まれ。高知県出身。

京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。
天狼院書店元店長。

2016年「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた《リーディング・ハイ》」がハイパーバズを起こし(以下略)

著者紹介ページより

 

さすが、下着姿でパソコンをいじるだけのことはある。

ねこ おどろく

 

若いけど、すげー人だった。

イラストのとおり、下着姿でパソコンをいじるかどうかはわからないけど。

 

note やTwitter(@m3_myk)もされているので、

人となりが気になる方はぜひ。

 

なお、note に書かれているエッセイは

自然にフォローボタンをポチッとしたくなるくらい

展開がきれいで読み応え十分なのでおすすめ。

 

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感想:こういう読み方もあるだと思わせる本

 

とにかく、彼女は文章が好きだ!

 

お題として取り上げている作品は

三島由紀夫からアイドルの松井玲奈、占い師のしいたけとさまざま。

 

素敵な文章構成や言葉選びがあれば、

肩書を気にしないところが著者の魅力ではなかろうか。

どの解説もキラキラしてた。

 

なお、CHAPTERは4つにわかれているけど、

順番に読む必要はあまりなさそうで、

好きな作家、知っている作家のパートから読んでもいいみたい。

 

そして「文章教室」と銘打っているけど

文章の解説エッセイだと割りきって、

気楽に読んでみるのも ”アリ” ではないだろうか。

 

読書がちょっと楽しくなってきそうだ♫

 

それでは(`・ω・´)ゞ

文章終わりのライン

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