『書評家』
ブログやYoutubeで書評を発信している人は結構いる。
しかし、プロとしてというより趣味の一環という感じがする。
本当にプロの書評家は実在するのだろうか
書評だけで食べていけるのだろうか
どうすれば書評家になれるのか
シティーハンターのような都市伝説ではなかろうか
怪しむ私の目を1冊の本が撃ちぬいた。
印南敦史著『書評の仕事』
書評家は、実在した。
しかも、酒場の神官にお願いしなくても転職できるらしい。
塾とブラスバンドとドラクエに明け暮れていた中学時代に
そんな職業があるなんて想像もしなかった。
今でもやや懐疑的だ。
一体、書評家とはどういう仕事なのか、
この本が教えてくれるらしい。
『書評の仕事』を読んで書評家が増えてほしい
新刊やおすすめの本を紹介する書評家
その世界を描いた『書評の仕事』とはどんな本なのか?
下記の順に、ご紹介。
どんな人にオススメの本
◯ あわよくば書評家になりたい私
◯ もっと上手に書評を書きたい人
◯ 小さいお子さんがいらっしゃる人
印南敦史著『書評の仕事』は、
読んで字のごとく「書評」をテーマにした本。
なので、書評に少しでも関心のある方におすすめ。
書評に興味がなくても小さいお子さんがいらっしゃると
こういう仕事もあるよーということをお子さんに伝えられるのでおすすめ。
なお、いろんなテクニックを掲載しているけど
・すぐ要約できる「3ステップ・チェック」
など、読んだ本をどう要約すればいいのか
というところに、そこそこページをさいている。
なので、書評に興味はあるけど、
要約の仕方がよくわからない!という人には
いいヒントになりそうなので、特におすすめ。
著者の印南敦史さんとは、どんな人?
『書評の仕事』の著者は、印南敦史さん(@innamix)
「ライフハッカー[日本版]」
「東洋経済オンライン」
「ニューズウィーク日本版」
などで、書評を書かれている。
書評の元ネタになる本は
ビジネス書やハウツー本のような堅いものが多い。
なんだけど、Twitterのアイコンや各サイトの画像を見ると
堅い本の書評家というイメージより
美味しい店を紹介するライターのような風貌ではある。
4月8日に新刊『書評の仕事』が発売されます。約8年間にわたる、書評家としての体験の集大成。よろしくお願いします!https://t.co/TWVQzxKzsD書評の仕事-ワニブックスPLUS新書-印南-敦史/dp/4847066391/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=書評の仕事&qid=1585224160&s=books&sr=1-1
— 印南敦史 (@innamix) March 26, 2020
そう思いながらTwitterのプロフに書かれていた
URLをポチッとすると食日記ブログが現れた。
人は見かけによるらしい。
p.7に書かれている ”食に関するブログ” とは
どうもこのブログのようだ。
本の紹介:書評家の生態と書評テクニックの本
この『書評の仕事』は、前半と後半で毛色が異なる。
前半の 一、二章では、書評家である著者の生態や思想、裏話。
後半の 三、四章では、書評テクニックが書かれている。
前半ハイライト:書評とはなんぞや!
書評の目的は「[読者のために]その本の内容を紹介・批評すること」
p.36より
この「読者のために」「読者視点」というワードが
印南さんのキモのようで、何度も登場してくる。
近年、プロ・アマ問わず書評をする人が増えて
いろんな本を認知する機会が増えることは非常にありがたい。
が、なかにはこの記事のように
なんだかよくわからない書評も多い。
では、どうすれば読者視点の書評ができるようになるか?
何文字くらいがいい?
本を選ぶにはどうすればいい?
などのテクニカル的な話や
よい書評か、そうでない書評かは「誠実か否か」で区別する
などの話が書かれている。
後半ハイライト:要約のキモとは?
「どういう読者に、その本のどの部分が刺さりそうか」
アタリをつけることが必要となってくるわけです。「どこにポイントがあるのか」を見極め、
そこを中心にまとめるべきだと僕は考えています。 p.144より一部抜粋
本全体を要約してしまうと、
非常に散漫な書評になってしまうというのが印南さんの考え。
そこで、ポイントを見極めて本を要約するとのこと。
そのために、7つの要約ポイントや3ステップ・チェックが有効と説いている。
参考まで3ステップ・チェックとは下記のとおり(p.155より)。
② 取り急ぎ必要なページを集中的に読み込む
③ 最後のまとめ部分を確認する
書評家として数をこなさないといけない人は
こういう読み方が有効ではなかろうか。
ただ、趣味レベルであれば精読しつつ
本の世界観につかるという読み方でもいいと思う。
むしろ、これが一番大事なのでは?「愚直に書き続ける!」
実際には、自分に特別な要約力があるとは思っていません。
ただ、愚直に書評を書き続けた ”結果” いつの間にか要約するコツのようなものが感覚的に身についていただけの話。p.142より
「愚直に書き続ける」
いろんなテクニックが書かれているが、
恐らくこれが一番大事なのではないかと。
昨日今日書き始めた人が、すごい本を出した!
という話は聞いたことがない。
漫才師でもある又吉直樹氏も
「火花」で、いきなり出てきたように見えて
コラムを書いたり、芝居の脚本を書いたりと書き続けた人。
やはり、量を書かないことには見えてこない領域があるのかも。
感想やおまけ話など
実は、印南敦史さんの書評を1度も読んだことはない。
そこで、印南さんの書評を読もうと思ったのだけど
できれば自分が書いた書評とどのくらい違うのか比べてみたい。
足元にも及ばないは当然として
何をどうすれば近づけるものか参考になるのでは?
そう思って、印南さんの書かれた書評をチェックすると
あった!私が書評に選んだ本と同じ本が。
印南敦史著「書評の仕事」
ご自身の本をご自身が書評されておりました。
どうやら、おちゃめなところがある人のよう。
![](https://www.kouyama.club/wordpress/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/26ee40ac7bf7de2303ec8b814dd14d56.jpg)
ちなみに、年間500冊以上の書評量を誇る印南さん。
その本はどうしているのか?
ということも書かれている。
どうやら、野球選手が一流になると
バットやグローブがスポンサーから提供されるようになるのと同じ仕組み。
一流ともなると「献本」というものがあるよう。
書評家を目指す人は、
「献本」をいただくようになる
というのを目標の1つにするといいかも。
それでは(`・ω・´)ゞ
さて、印南さんの書評を読んでみよう。
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