ジョジョの奇妙な相続【第一部前半 ~養子と相続欠格~】

 

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ジョジョから学ぶ相続(序章)

『ジョジョの奇妙な冒険』は、荒木飛呂彦先生による漫画で主人公が代替わりしていく珍しい作品です。代替わりするということは相続が発生しているはず。そこで、さらっとではありますが、どういう相続になったのか考えてみました。
 
現在(2018年4月11日)第8部まで続いていますが、第1部はこのような人物構成でスタートします。


物語のはじめで、ジョースター家の3人は乗っていた馬車が崖崩れで谷底に落ちてしまい、メアリーは赤ちゃんだったジョナサンをかばいながら亡くなり、ジョージは気を失ってしまいます。そこに通りがかったダリオが、金目の物を盗もうと指輪などを物色していたところでジョージが目を覚まします。ジョージはダリオが介抱してくれたのだと勘違いするのですが、それをいいことにダリオはジョージとジョナサンを助けて恩を売ります。
 
12年の時が流れ、ダリオの妻は既に亡くなっており、ダリオも亡くなる寸前。ダリオはジョージに「息子を頼みます」と手紙を出し、ディオにはジョージのところに行くように伝えて亡くなります。


ディオは言われたとおりジョージの養子になるものの、ジョースター家を乗っ取るためジョージの命を狙い毒の薬を少しづつ飲ませます。それに気付いたジョナサンと対決することになり、ジョナサンをナイフで殺そうとしますが、ジョナサンをかばったジョージにナイフが刺さりジョージは亡くなってしまいます。これを機に、ディオとジョースター家の長い戦いが幕を開けるのです。
 
相続に必要なのはここまでなので、この続きは作品をご覧ください。
 

ジョジョの奇妙でない相続(養子)

まず、普通にどういう相続になるのか考えてみました。
 

1.ブランドー家の相続
  ダリオの父母が健在であったかの描写がありませんでしたが、ディオがジョースター家の
  養子になったことから既に亡くなっていたとすると、相続人は一人っ子のディオだけにな
  り相続は2通り考えられます。
 
  ① ディオの養子は普通養子縁組だった
    普通養子縁組は一般的な養子縁組のことで、ジョージとディオの間に親子関係が生じ
    ますが、実親のダリオとの親子関係は消滅せず、そのまま継続します。ですから、
    ディオはダリオが死亡した場合にも法定相続人となり財産を相続できます。

  ② ディオの養子は特別養子縁組だった
    特別養子縁組は原則として6歳未満の未成年者のためにある制度なので、このケース
    にはあてはまりませんが、もし特別養子縁組だったとすればダリオとの親子関係は消
    滅しているため相続はできません。
 
2.ジョースター家の相続
  ジョースター家もジョナサンの祖父母の描写がありません。ですが、屋敷内のシーンは複
  数回出てくるにも関わらず祖父母は登場しないので亡くなられているものとします。する
  と、ジョージの相続人は実子のジョナサンと養子のディオになります。養親の相続は普通
  養子縁組、特別養子縁組のどちらであっても相続分は変わらず実子と同じ割合になり、
  ジョナサンに1/2、ディオに1/2相続されます。
 
  * 本来であれば、ディオ、ジョナサンの両方とも祖父母が本当に亡くなっているのか、
    兄弟がいないかなど戸籍で確認することになります。
 
 

ジョジョの奇妙な相続(相続欠格)

普通に考えるとディオはブランドー家とジョースター家の両方を相続できます。ところが、恐らくディオはどちらの財産も手に出来なかったと思われます。

民法 第891条
次に掲げる者は、相続人となることができない。
一  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡
   するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二  被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなか
   った者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の
   配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三  詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取
   り消し、又は変更することを妨げた者
四  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、
   取り消させ、又は変更させた者
五  相続に関する被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄、又は隠匿した者

ディオはジョージを毒殺しようとしていましたし、ダリオを病死にみせかけ毒殺したのでこの民法 第891条の相続欠格(欠格は、必要な資格を欠くという意味)に該当しそうです。
 
ただ、警察がディオを捕まえにきたところでディオはアステカ伝説の石仮面を使って吸血鬼になってしまいます。その後警察に捕まったという話がないため “刑に処せられた者” には該当しません。よって、条文だけでみると相続できると思われます(このあたりは判例も見つけられなかったので、弁護士さんに聞いてみたいところ)。とはいえ、相続手続きに来れば捕まり、捕まれば刑に処せられる可能性は高く相続できなかったと思われます。そもそも、吸血鬼になった時点で相続人としての資格はあるのか疑問なところです。
  
よって、ジョージの財産はジョナサンが相続することになったと思われます。
 
 

あとがき 

近年アニメ化されて再脚光を浴びている「ジョジョの奇妙な冒険」ですが、第2部好きの私としては少なくとも第2部終了までは、記事にしようと考えています。なお、第1部の舞台は1880年頃のイギリスなので相続の方法は日本の現行法とは違うよね?という鋭いツッコミは控えていただくと助かります。
 
現在、第4部までアニメ化されましたが、第5部も面白いのでアニメ化されるのではないかと期待しています。


▼ どんな人?と思われたらぜひ。