『いのちの車窓から』を読んでも、やはり星野源は好きになれない【書評エッセイ】

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星野源 いのちの車窓から

 

星野源は、好きじゃない。

 

ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の

彼の役どころが気に入らなかった。

 

あまりのかわいさに

本当は実在していなくて妖精なのでは?

と思うこともある新垣結衣さんの夫役。

 

イケメン俳優なら諦めもつくというのに、

ブサイクではないがイケメンでもない。

 

普通なのである。

華やか芸能人が多いというのに、顔も体型も。

 

そんな彼が夫役。

 

しかも、イチャコラするシーンもあれば

「大好き!」と言われるシーンまである。

 

その役、なぜ私ではダメなんだ!という

謎の嫉妬心も手伝って、

いつしか星野源を敵認定さえしていた。

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それだけではない。

彼は音楽活動もしている。

 

が、音楽活動においても

歌がスバ抜けて上手なわけではない、

作詞、作曲が奇抜で独創的なわけでもない。

 

普通なのである。

 

にも関わらず、

武道館でライブしたり、YMOと共演したりするのだ。

 

彼はスター。まぎれもなくスター。

でも、スターっぽい要素が見受けられない。

 

それなのに、なぜ人気があるのだろう?

答えを求めて1冊の本を手にしてみた。

 

星野 源 著『いのちの車窓から』

早速、読んでみた。

 

認めたくないものだ

自分自身の若さゆえの過ちというものを

 

正直、そんなに面白くないだろうと思っていた。

 

それなのに、引きこまれたし、共感もした。

「文章」というタイトルのエッセイなんて

まさに自分のように感じたし、文章を書いていくことに希望が見いだせた。

 

「大泉洋」というタイトルのエッセイでは

ふたりの素敵な関係性に、ウルっとなった。

 

タイトルが「大泉洋」なのにだ。

 

有名作家が書くエッセイだと

難しい表現や凝った仕掛けが張り巡らされ

意外と読むのに時間がかかるのに、あっという間に読みきれた。

 

ややこしい演出もない代わりに

見たものを丁寧に描いているので、景色が浮かびやすい。

(p.170より)

外壁が剥がれた住居と住居の間にある植木はまったく管理されておらず、雑草も伸び放題で自分の胸の高さまで育っている。団地それぞれの部屋の窓を見ると、ほとんど真っ暗だが時折布団を無理矢理干している部屋があった。

 

素敵なエッセイだと思った。

 

文章術に忠実な文章。

難しい単語や専門用語はほとんどなく、言い回しもシンプル。

1つ1つの文書が短くて読みやすい。

 

もっとも、シンプルさゆえに

上手な文章だなぁとは感じなかったし、

内容が独創的なわけでもない。

 

面白いけど、普通なのである。

 

3つのジャンルとも天才の領域ではなく

普通の領域の上位クラスに思える。

 

では、一体、彼の何が魅力なのだろう?

 

そんなことをぼんやり考えていると、

ウケケと勝ち誇ったように笑う星野源が浮かんだ。

 

ハッとした。

そして、もう1度この本を読みなおした。

 

この本、30ほどのエッセイが載っているが

「好」「楽」「面白」「幸」

これらの文字が全くでてこないエッセイは2つくらいしかない。

 

ほとんどのエッセイに

「好」「楽」のどちらかの文字があり

批判やネガティブなエッセイは1つもない。

 

あぁ、これか・・・

星野源は、”陽” の人なのか。

 

本当に”陽”の人なのか気になり、

Youtubeに「星野源」検索させて、サッと動画を観てみた。

 

どの星野源も楽しそうだ。

それでいて、無理がない。

 

大きな病気もしたり、

苦労もあったりもしているけど、

表舞台にいる星野源は ”陽” の人。

 

”明”のトガッた眩しさではなく

”陽”の柔らかく降り注ぐイメージ。

 

図抜けた”陽” の普通の人。

それが星野源の正体なのかも。

 

私も”陽”になりたい人なので

彼とはライバル関係になるようだ。

 

ライバルとあれば、

私はまだ星野源を好きになるわけにはいかない(笑

 

でも、きっと今日の散歩で口ずさむだろう。

 

君の声を聴かせて

雲をよけ世界照らすよな♪

 

それでは(`・ω・´)ゞ

文章終わりのライン

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