災害公営住宅の家賃を左右する政令月収とは?知らないと大損かも!

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お金と家
政令月収は、給与や年金で月々入ってくるお金のことではありません。
(災害公営住宅だけでなく、通常の公営住宅も同じ考え方)

 
西日本豪雨災害で家屋を失い仮設住宅暮らしをされている方(呉市)に、災害公営住宅を付近に建設するので入居しますか?という仮申込書が届いたとのことで見せていただきました。そこには、家賃についてこう書かれていました。

呉市の政令月収 引用元:呉市住宅政策課「災害公営住宅の入居について 」
 https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/attachment/37565.pdf

その方は年金暮らしで、政令月収=毎月の年金支給額と考えたために家賃が高額になると嘆き、災害公営住宅の入居をためらっておいででした。

意外かもしれませんが、政令月収=毎月の年金支給額という考え方は、大きな間違いです。
 

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公営住宅の家賃が高い!と思ったら読んでほしい!
家賃を左右する政令月収とは?

「政令月収」とは、年間の収入から総所得額を算出して、配偶者控除、扶養親族などを控除したのち、月換算したもの。政令と名が付いているだけあり、公営住宅法施行令というものに「収入」として定義されています。
  

政令月収 = (年間総所得額 ー 扶養控除額 ー 特別控除額) ÷ 12

 
ポイントは、「年間総所得額」で、これは年収のことではなく、年収から別途導きだされた所得額になります。
 
詳しくは後述するので、ここでは 年間総所得額 ≠ 年収とだけ覚えてください。さらに、年間総所得額の算出方法は、給与所得者と事業所得、年金受給者で異なります。
 
ここまで、大丈夫ですか?
まだ序盤ですが、ついてこれますか?
すでにギブアップ状態、でも自分の政令月収は知りたい!という方は、こちらに飛んでください。

「政令月収を自動計算してくれるサイトはないの?」

 
▼ 参考までに公営住宅法施行令の条文を付けましたが、まじめに読まなくてOK

三 収入 入居者及び同居者の過去一年間における所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二編第二章第一節から第三節までの例に準じて算出した所得金額(給与所得者が就職後一年を経過しない場合等その額をその者の継続的収入とすることが著しく不適当である場合においては、事業主体が国土交通大臣の定めるところにより認定した額とし、以下「所得金額」という。)の合計から次に掲げる額を控除した額を十二で除した額をいう。
 
引用元:公営住宅法施行令 第1条より

しらけたネコ
 
・・・ちょっと何言ってるのかわからないにゃ。
 
 

政令月収の計算方法!

公営住宅法施行令の条文から政令月収を紐解くのは大変なので、一般的な計算方法を書いておきます。大事なので再掲しますが、政令月収は下記の公式にあてはめて計算します。

 政令月収 = (年間総所得額 ー 扶養控除額 ー 特別控除額) ÷ 12
 


 
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1.年間総所得額の計算方法

まず、年間総所得額を計算していきますが、計算方法が「給与所得」「事業所得」「年金収入」の3つに大きく分けられています。したがって、年間給与所得は3つの和になります。
 
  年間総所得額 = 給与所得 + 事業所得 + 年金収入
 
それでは、1つ1つ見ていきましょう。
 

1)会社員など給与所得の計算方法

給与所得の年間総所得額は、下記のとおり年間の給与所得額によって計算方法が異なるため、自分がどの区分に該当するのか確認するところから始まります。

政令月収早見表
 引用元:呉市「呉市営住宅申込みのしおり」より
 https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/attachment/37410.pdf

仮に上記のカッコ書きの例のように、年間給与所得が 2,250,860円だったとします。この額は、赤丸の区分に該当しますので端数整理という計算が必要になります。なお、端数整理の計算は下記のとおり。

① 年間給与所得を4,000で割ります。
  2,250,860 ÷ 4,000 = 562.715
 
② 小数点以下を切り捨てます
  562.715 → 562
 
③ ②で算出された数字に4,000をかけます(乗算)
  562 × 4,000 = 2,248,000

端数整理された数字を赤丸区分に書かれた公式にあてはめます。

2,248,000 × 0.7 ー 180,000 = 1,393,600

この 1,393,600円が、年間総所得金額になります。
 
 
もし、ご家族(1世帯)のなかに働いてる方がいらっしゃれば、この公式にあてはめたものを合算します。たとえば、年間給与所得が夫は2,250,860円と妻は1,619,500円という夫婦がいた場合、下記のようになります。

1,393,600(夫) + 969,000(妻) = 2,362,600(年間総所得金額)

 

2)年金収入がある場合の計算方法

年金収入についても、給与所得と同じように収入額に応じて計算方法が違います。ですから、まずは収入額からどの区分にあてはまるのかチェックします。

政令月収年金収入早見表  引用元:呉市「呉市営住宅申込みのしおり」より
  https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/attachment/37410.pdf

あとは、1)と同じように区分ごとに書かれている公式に数字をあてはめるだけ。
仮に年間の年金収入が、夫が2,400,000円、妻が1,000,000円の夫婦がいたとします。ふたりの年間総所得額は下記のとおりになります。
 
夫:2,400,000 ー 1,200,000 = 1,200,000
妻:1,000,000 → 0
 
年間総所得額:1,200,000 + 0 = 1,200,000
 

3)事業所得がある場合の計算方法

事業所得の計算方法は、給与所得者などに比べてシンプルで下記のとおり。

 年間総所得額 = 過去1年の総収入 ー 必要経費

事業開始から1年未満の場合、事業開始翌月からの所得を計算することになります。
 

2.扶養控除額の計算方法

同居者または同一生計配偶者など扶養する親族がいるとき、1人につき38万円が控除されます。扶養親族の詳細は下記のとおり。または、所得税法第二条第一項第三十三、三十四号を参照ください。

扶養親族とは、その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡し又は出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、次の四つの要件の全てに当てはまる人です。

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
 (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

引用元:国税局のサイトより
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1180.htm

 

3.特別控除額の計算方法

扶養控除とは別に、下表の特別控除なるものがあり該当するものがあれば、その額だけ控除されます。

政令月収特別控除  引用元:呉市「呉市営住宅申込みのしおり」より
  https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/attachment/37410.pdf

 

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家賃はいくらになるのか?ケースごとの算出例

政令月収が判明したところで、家賃はいくらになるのか?
ケースごとに調べてみました。
 

ケース1 若夫婦の場合、家賃はいくらになるのか?

給与所得が、夫:2,250,860円/妻:1,619,500円という夫婦の場合
 
上記の再掲になりますが、年間総所得金額は下記のとおり。
1,393,600(夫) + 969,000(妻) = 2,362,600(年間総所得金額)
妻は扶養控除に該当しておらず、特別控除にも該当しないものとすると政令月収は下記のとおり。
 
2,362,600(年間総所得金額) ÷ 12 = 196,883(政令月収)
 
この金額は下表の区分6に該当して、家賃は¥46,000になります。
 
 
よくある勘違いである、夫の毎月の給料と妻の毎月の給料を足した額なら家賃はどうなるのでしょう。ボーナスは1ヶ月分で夏冬ある会社だとすると、夫は約16万円/月、妻は約13万円/月となり、これを合算すると29万円となり区分8の家賃は¥63,000となります。

呉市の政令月収早見表 引用元:呉市住宅政策課「災害公営住宅の入居について 」
 https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/attachment/37565.pdf

 

ケース2 老夫婦の場合、家賃はいくらになるのか?

年金収入が、夫:2,400,000円、妻:1,000,000円の場合
 
こちらも再掲になりますが、年間総所得額は下記のとおり。
1,200,000(夫) + 0(妻) = 1,200,000(控除前の年間総所得額)
 
65歳以上で年金額が158万円(205万円)以下のときは、扶養親族になります。したがって、このケースの妻は扶養控除の対象になります。さらに、70歳以上であれば老人扶養親族・配偶者控除も対象になります。

したがって、政令月収は下記のとおり。
1,200,000 ー 380,000 ー 100,000 = 720,000
(控除前の年間総所得額 ー 扶養控除額 ー 特別控除額 = 年間総所得額)
720,000(年間総所得額) ÷ 12 = 60,000(政令月収)
 
 
この金額は下表の区分1に該当して、家賃は¥23,000になります。
 
こちらも誤解しそうな月収入で考えると、夫は20万円、妻は約8万円となります。これを合算すると約28万円となり区分8の家賃は¥63,000となります。
 
 

算出例のまとめ

少し高いけど、まぁいいやで申込みをした場合は、想定してたよりも安くなり「良かった!」ということになろうかと思います。ただ、年金受給者は大幅に金額が異なるため、政令月収の算出方法を知らなければ、入居を諦めてしまうかもしれません。
 
詳しくは、お近くの各地方自治体(お役所)に聞かれることをオススメしますが、
 
年間総所得金額 ≠ 年収

 
だけでも覚えておいていただきたいです。
 

政令月収を自動計算してくれるサイトはないの?

なんだか、色々面倒!と自動計算してくれるサイトはないの?と思われるかもしれません。そんな便利なサイトなんて・・・あります。必要な数字を入力して、STEP3の「月収額を算出する」をタップ、またはクリックするだけです。

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まとめと感想

いかがでしょうか。難しい言葉が並ぶなか、ここまでお読みいただきありがとうございます。恐らく、政令月収を自分の月収入と思い込み、家賃が高額になるため入居を断念する方は多いと思いますので、一助になれば幸いです。
 
手にした資料に、なぜ?と思うものがあれば、積極的に近くのお役所に聞いてみるべきです。最近は、結構親切に教えてくれますよ(担当者にもよりますけど)。

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